top of page
  • 執筆者の写真any

「経営者を目指してほしい 自分の夢を形にすることができるから」松本忠久(ウエルシアホールディングス)

薬学生のための情報誌『MIL』ではこのたびドラッグストアの経営トップのインタビューをまとめた特別号「NEXT VISION」を発行しました。このwebサイトでも連動コンテンツをお届けします。

薬剤師とともに走り続ける情熱を持った経営者たちの言葉から、まなざしから、社会のなかでその企業が何を目指しているのか、メッセージを感じ取って欲しいと思います。


NEXT VISION

ウエルシアホールディングス株式会社

代表取締役社長 松本忠久


まつもと・ただひさ●1958年生まれ。1983年北陸大学薬学部卒業後、サンドラッグ入社。

1991年いいの入社、2004年いいの社長。2006年合併によりウエルシア関東副社長、2008年グローウェルHD(現ウエルシアHD)取締役。グループ企業の寺島薬局社長や上海合弁会社の董事、ウエルシア-BHG(シンガポール)社長などを歴任。2019年3月よりウエルシア薬局とウエルシアホールディングスの社長を務める。



 

薬学の専門家としてだけでなく

経営者を目指してほしい

自分の夢を形にすることができるから



ものづくりチームに未経験の社員も召集

「失敗しても経験を生かしていく」



薬学生にメッセージを、と聞くと、松本忠久社長から「薬剤師も薬学の専門家として成長するだけではなく、企業の経営者を目指してほしい」という言葉が返ってきた。

「経営者は自分の夢を形にすることができるからだ」と話す。


そんな言葉が出てきたのは、松本社長自身が、2019年3月に社長に就任して以降、次々と夢の具現化に突き進んでいるからだ。

「ものづくりチーム発足」や「医療開発部の立ち上げ」、「ヘルスケア売場機構改革」などは、その中のほんの一例だ。

「ものづくりチーム」では、“ウエルシアらしい”商品とは何なのかを、既存の市場にある製品の枠にとらわれず、ゼロからの商品づくりを目指して社内からメンバーを集めた。

「商品づくりをしたことのないメンバーが集まりました。例え失敗したとしても、それを経験として生かしていくことで、ものづくりのノウハウが当社の中に蓄積されていくことにつながります。薬学に関して言えば、その知識が商品開発に生きることもきっとあるのではないでしょうか」

また「医療開発部」は、“ウエルシアと組みたい”という開業を志す医師への要望に迅速に応えるために創設した。その決断にもスピード感があった。



売場の顧客に店員が声をかけていなかったという事実



そして、とりわけ思い入れがあるのが、「ヘルスケア売場機構改革」だ。

松本社長の心にずっと引っかかっているあるメディアの調査がある。有名ドラッグストア各社の店舗で目薬売場の前に調査員が来店客としてずっと立ってみる。すると、ほとんどの店舗でスタッフが声をかけなかったというのだ。店内で目薬を選ぶのに迷っている客がいるのに専門家が手を差し伸べないという事実。


「登録販売者という資格ができてから10年。ドラッグストアには薬局と店舗販売業と許可基準、あるいは薬剤師と登録販売者という職種に分断が生まれてしまったと思います。私はそれを勝手に“ヘルスケアの失われた10年”と呼んでいるのです。これは制度や変化に対応する教育を怠ってきた企業の責任だと思っています」

今、ウエルシアでは売場での顧客とのコミュニケーションを促進するための人員配置の在り方や教育内容の見直しを進めている。


松本社長の根底にある夢は、実はシンプル。「身近に感じてもらえるお店づくり」なのだ。

「私は薬屋の息子なんです。子どもの頃に、親がお店に来た人と世間話をずっとしていて、薬を渡すのは最後の方の短い時間だけでした。今、改めて、そんなお店がお客さまに求められていると思うのです」

ウエルシアホールディングスといえば、国内ドラッグストア最大手の上場企業。そんな大会社の社長になろうと学生のうちから考えている人はそういないかもしれない。しかし、「社長はやりがいがあるよ」「どうせやるなら社長を目指したら?」――ウエルシアにはそのチャンスがあると、松本社長は本音のメッセージを学生に送っているのだ。




取材・文=菅原幸子(ドラビズon-line編集長)

撮影=井之口聡


ウエルシアホールディングスの採用エントリー


ドラビズon-lineでもウエルシアホールディングスのビジネス情報を掲載しています。



 

bottom of page